免疫抑制剤
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免疫抑制剤「シクロスポリンについて」
シクロスポリン(商品名:ネオーラル)は、臓器移植で免疫の反応を抑えるために作られた飲むお薬です。 乾癬の治療でも、これまで多くの患者に使われています。ネオーラルは血液の細胞の一つである白血球に働いて、炎症を起こす物質の産生を少なくすることで免疫を調節して、乾癬患者の皮膚の状態を良くします。
今までは腎臓が悪くなるなどの副作用の問題で、症状の重い患者だけにネオーラルが使われていましたが、乾癬にはごく少ない量で高い効果が得られるので、 副作用に注意することで、症状の重くない患者でも安全に使うことができます。
ネオーラルによる治療方法は、症状の重い人は、皮膚の状態がある程度よくなるまでは少し多めに飲んでいただき、皮膚の状態が良くなってくればお薬の量を減らして少ない量で維持します。皮膚の状態が中程度または軽い人の場合は少ない量から飲んでいただき、皮膚の状態が良くなれば一旦、ネオーラルを止めて、塗り薬などで維持し、皮膚の状態がまた悪くなり始めたときに、ネオーラルを短い間だけ飲んで皮膚の状態を良くするような治療を行います。
ネオーラルの飲み方は毎日朝晩2回飲んでいただいたり、朝食または夕食前に1日1回だけ飲んでいただいたりします。ネオーラルの良い点としては、 他の治療法よりも早く皮膚の状態をよくすることができます。また、副作用に注意しながら使うことで、塗り薬を多く塗らなくても良いので塗り薬を塗る手間が少なくてすみ、頭部や背部など自分では塗りにくいところに症状がある場合にも便利です。しかし、他の治療法よりもお薬の値段が高いので患者さんの治療費の負担額が増えたり、 一部の人で腎が悪くなったり血圧が上がるなど患者さんにとって好ましくない副作用もあります。
ネオーラルは、お薬がどれくらい血液中に入っているかによっての患者さんごとに飲んでいただく量を決めて使うお薬なので、患者さんにあったお薬の量を決めるためと副作用が出ないようにする為に定期的に血液検査が必要です。
ネオーラルの副作用としては、 主に血圧が上がる、 腎臓が悪くなる、 尿酸が増える、 はぐきがはれる、毛が濃くなるなどが考えられます。
以上のようなネオーラルの特徴から以下のような人にネオーラルは向いていると思われます。
- 旅行などをひかえていて、少しでも早く良くなりたい人
- 塗り薬を塗るのが面倒、あるいは嫌な人
- 今の皮膚の状態よりもきれいにしたい人
- 今の治療方法で満足していない人
- かゆみが強い人
「アプレミラスト(商品名:オテズラ)について」
2017年3月より処方可能となっています。新しいタイプの内服薬で、尋常性乾癬及び関節症性乾癬に効果があります。
シクロスポリンの様に、高血圧や肝臓・腎臓障害といった強い副作用はありませんが、胃腸障害による下痢、悪心、嘔吐などは起こりやすいようです。
他の治療との併用による効果は今後の使用経験によると考えます。