生物学的製剤

乾癬患者さんの病巣部位では、免疫の異常が引き金となって、TNF-α(ティエヌエフ・アルファ)などの炎症を引き起こす物質が、正常の皮膚に比べて大量に作られており、このTNF-αにより表皮細胞が過剰に増殖していることが最近の研究の結果から明らかになってきました。

このTNF-αの働きを抑えることにより、乾癬病巣に対する治療効果が期待できるのではないかと考えられ、欧米で、従来の治療法では病巣が治癒しなかった乾癬患者さんに対して、TNF-αの作用を抑制する薬剤(TNF-α阻害剤)を投与した場合の有効性ならびに安全性が検討されました。

その結果、TNF-α阻害剤が投与された患者さんでは、乾癬の皮膚症状が軽快したとの臨床試験結果が得られたことから、TNF-α阻害剤が難治性の乾癬患者さんの治療に有効な治療方法の一つであることが確認されました。

TNF-α阻害剤をはじめとして、遺伝子の組み換え技術により人工的に作られたたんぱく質を体内に導入して治療に供するものを生物学的製剤といい、今後乾癬などの難治性疾患の有効な治療手段となることが期待されています。

日本では2010年よりTNF-α阻害剤として、
レミケード®(インフリキシマブ)、
ヒュミラ®(アダリムマブ)
が処方可能となっています。

但し、TNF-α阻害剤を投与する前には、過去に結核を罹ったことがないか、投与時点で重い感染症に罹っていないかなど、検査基準が厳しく定められており、問題がなければ投与可能となります。

日本では2011年よりヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤として、
ステラーラ®(ウステキヌマブ)
が処方可能となっています。

レミケード®(インフリキシマブ)

日本でも2002年にクローン病(消化器の難病)の治療薬として認可され、その翌年、関節リウマチに対しても使用が認められました。さらに、ベーチェット病の眼症状など、さまざまな自己免疫性疾患に使用されるようになっています。2010年より尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症への適応が追加されました。
投与方法は2時間以上かけて点滴静注します。
初回投与の後、その2週間後、6週間後に再び投与し、以後は8週間の間隔で継続投与します。

詳しくはhttp://www.kansen-care.net/patient/ameliorate.php

ヒュミラ®(アダリムマブ)

関節リウマチ、自己免疫疾患の炎症反応を引き起こす炎症性サイトカインを中和させることで効果を発揮します。
投与方法は2週間に1回皮下注射。

詳しくはhttp://www.e-humira.jp/

ステラーラ®(ウステキヌマブ)

乾癬の発症にかかわるサイトカインの’IL‐12(インターロイキン‐12)’と’IL‐23(インターロイキン‐23)’の働きを弱めることで、症状を改善します。
初回とその4週後に投与し、その後は12週ごとに1回の間隔で投与する注射の薬です。

詳しくはhttp://www.stelara.jp/